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メンタルヘルス-心と呼吸の重要性②-

呼吸法の効果

呼吸法自体には古い歴史があります。

 

5000年前のインドや中国では、ヨガや気功の修行体系の中で、既に呼吸法が悟りの技法として実施されていた形跡があります。ブッダが悟りを開いた際のプロセスとしても、呼吸への気づきによる瞑想がベースにあったと言われています。座禅でも初心者は数息観と言われる「吐く息を数える瞑想法」から入ることが多いのです。

 

心の平安には呼吸法がセットになっているとも言えます。呼吸法の効果としては、リラクゼーション・気持ちの安定・不安緊張の軽減・気付きや悟りへの効果的ツールなど、様々な点が指摘されています。科学的整理的研究として、「呼吸を長くするゆったりした呼吸法」が不安を軽減するという基礎研究が多く見られます。

 

呼吸法の効果

心に影響を及ぼす自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があります。ストレスが現れた場合、視床下部が交感神経を興奮させ、動悸を速め、呼吸を促進し、筋肉にエネルギーを供給し、副腎髄質から恐怖に関係するアドレナリンや怒りに関係するノルアドレナリンを分泌させ血糖値を上げ、ストレスに対する態勢を整えるわけです。

 

呼吸は自律神経と深い関係にあり、心にも影響を及ぼしています。吸う息が交感神経と関連し、吐く息が副交感神経、すなわちリラックスする際に働く神経と関連しています。従って、イライラや不安を緩和して心を平静するには、吐く息を中心にした「腹式呼吸」が効果的なのです。

 

神経伝達物質セロトニンと呼吸法

意欲や落ち着きに関係するのが「セロトニン作動性神経系」です。これは他の神経系と連携しているので、広い範囲に重要な影響を及ぼしています。セロトニンは他の神経系に抑止的に働くことで、過剰な興奮や衝動・抑うつ感を軽減します。セロトニンが不足するとうつ状態になったり暴力的になったりするのです。ストレス環境に長期間あった個体は「セロトニンが枯渇に近い状態」になっているので、興奮や衝動・抑うつ感を抑制することが難しくなると言われています。実際、殺人や自殺を起こした人はセロトニン濃度が低いことが確認されています。

 

パニック障害と呼吸法

パニック障害とは「パニック発作を中心とする障害」で、電車や人込みで理由もなく急に息苦しくなり、心臓がドキドキして手足が震えたり痺れたり、また、眩暈や吐き気・胸痛が起こることもある障害です。悪化すると予期不安で外出することが出来なくなります。

 

パニック障害と呼吸法は関係が深く、きちんとした対処法を覚えておくことは重要なことと言えます。対処法は以下の通りです。

 

1.椅子に浅く腰掛け背筋を伸ばす。目を閉じて呼吸に集中する。

2.口を「おちょぼ口」に開け、ため息をつく様に口から少しづつゆっくり長く10を数えながら吐く。

3.途中からお腹を少し押して身体を前傾させると長く吐けます。吐く際に、気になることが吐く息とともに体の外に出ていき、頭が空っぽですっきりになる様にイメージする。

4.吐ききったら、手を緩め、鼻から3つ数えながら息を吸う。前傾した体を起こしながら胸を開きながら行う。但し、片はリラックスし、空っぽの頭に元気なエネルギーが入り込む様にイメージする。

5.2を数える間、息を止める。元気なエネルギーが体中染み渡る様にイメージする。

6.しばらくの間、上記を繰り返す。(通常:5分~10分、うつの場合は15分~20分)

 

対処と予防法を理解しておくことは、どんなことにおいても重要なことです。日々トレーニングを行い、「これは単なる自然現象だから大丈夫」と言い聞かせることが大事なのです。

 

次回は、メンタルヘルス-心と呼吸の重要性③-として、「マインドフルネス瞑想法」についてお伝えいたします。

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