個人向けESG投資で社会貢献
ESGは、「環境」「社会」「企業統治」の頭文字を取った言葉です。国連は2006年からESGの観点を重視した投資活動を呼びかけ始め、欧州で動きが先行しています。
ここ、数年は日本でも、企業が社会貢献等につながる事業に使途を絞って社債を発行したり、金融機関が投資を行っていたりします。18年の国内ESG関連資産の残高は約2.2兆ドルに上り、2年前の8倍に増加し、個人投資向けでは投資信託が中心となっている。ここでは、具体的な例を以下の通り纏めてみる。
≪投資信託≫
①野村証券(商品名:ザ・サーキュラー)
●リサイクル等、循環型経済の実現に取組む企業の株式に投資。
②SMBC日興証券(商品名:ゼロ・コンタクト)
●非接触型ビジネス関連企業株式に投資。
③大和証券(商品名:世界の食卓)
●食糧生産や食生活の変化を捉え、高い成長が期待される企業に投資。
≪社債・債権≫
④トヨタ自動車
●静岡県で着工している実証都市「ウーブン・シティ」(静岡県裾野市)の開発資金に充てるため、最大5000億円社債を発行。
②東京都
●都内での再生可能エネルギー関係の設備導入。
ESGは、言葉の定義や概念の範囲が必ずしも明確では無い面があります。ESGと銘打ちながらも、投資家に対して資金を使う目的がはっきりと示されていないケースも多々見られます。投資信託協会は、「目論見書等を熟読し、本当にESGに資する商品なのかどうかをじっくりと事前に見極める必要がある」と指摘しています。